「周りの人より勉強しているのに、思うように上達していない」
「先生やバイリンガルの人から学習法を聞いて実践しているのに、上達しない」
このような悩みや疑問はありませんか?

日本の学習者は勉強熱心な方が多く、一年以上スペイン語を学ばれている方が少なくありません。
しかし、たくさん勉強しているのに「努力が報われていない」と感じている方も多いです。
私は、18歳のときにゼロからスペイン語を学び始めました。
期間にして約5年8ヶ月、時間にして11,000時間以上も勉強に費やしてきたにもかかわらず、私はDELE B2に落ちました。
そのため、頑張っているのに報われない辛さや悲しさを、日本一わかっていると自負しています。
この記事を通して、あなたの努力がしっかり結果に結びつくように、しっかり情報提供していきます。ぜひ最後までお付き合いください。


スペイン語における学習時間の目安|DELE B2合格を目指して


11,000時間も勉強したって本当?|当時の学習スケジュール



11,000時間も勉強したなんて、大げさじゃないの?
と、疑問に思われるかもしれません。
そこで、スペイン語学習を始めてからDELE B2を受験(2017年11月に受験)するまでの学習スケジュールを、具体的にご紹介します。
- 大学1年生:週26時間(通学中の学習を含む) → 1,352時間/年
- 大学2年生:週36時間(通学中の学習を含む) → 1,872時間/年
- 大学3年生:週48時間(通学中の学習を含む) → 2,496時間/年
- 大学4年生:週48時間(通学中の学習を含む) → 2,496時間/年
- 社会人1年目:週18時間(通勤中の学習を含む) → 936時間/年
- 社会人2年目:週55時間(業務時間の1/2を含む) → 1,906時間/年
合計:11,058時間
上記が、約5年8ヶ月間の学習時間の大まかな内訳です。
「この数字、大げさに見積もってるんじゃない?」と思われるかもしれませんが、むしろ控えめに計算しています。
例えば、以下の点は計算に含めていません:
- 大学のスペイン語授業:授業時間は計算に含めていません。
- メキシコでの業務時間:メキシコで働いていた社会人2年目の業務時間を、週41.5時間のうち半分(20時間)しか計上していません。実際には、すべての業務をスペイン語で行なっていたのにもかかわらず、です。
実際には、上記の11,058時間よりもさらに多くの時間、スペイン語に触れていたことになります。
それでも、私はB2試験に不合格でした。
この結果が示すのは、学習量を増やすだけでは、望んだ結果は得られないという厳しい現実です。
楽観的なら900時間、現実的なら5,005時間が「B2合格」に必要



そもそも、B2に合格するにはどれくらい勉強すればいいの?
と、思われる方もいるでしょう。
「短期集中型」のプランであれば約900時間、「現実的な長期プラン」では約5,005時間が目安です。
詳しい計算方法や根拠については、別記事(【スペイン語】ゼロからB2レベルまでに必要な学習時間とは?)で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
つまり、私はその目安の2倍以上、11,000時間以上もの時間を費やしながらも、B2に合格することができませんでした。
11,000時間も勉強してB2に落ちるのは「異常事態」
今でも、あの不合格通知を受け取った夜のことを鮮明に覚えています。



「こんなに頑張っても受からないなんて、自分は一生外国語を習得することなんてできないんじゃないか?」
「結局、生まれや環境に恵まれた人や、地頭が良かったり外向的な人だけが、外国語を使って働けるのではないか?」
そんなネガティブな考えが次々に頭をよぎり、気づいたら泣いていました。
でも、それだけでは足りず、屋上に出て泣き叫びました。…実話です(笑)
それほど悔しかったのです。「周りの人の何倍も勉強してきた」という強い自負があったからこそ、その分、自分を責めました。
実際、先ほども述べたように、理論上では5,005時間も勉強すればB2に合格できると言われています。
その倍以上の時間を費やしながら不合格という結果は、間違いなく「異常事態」と言わざるを得ません。
ちなみに、大好きなスペイン語をやめようかと考えたのは、後にも先にもこの時だけです。それくらい辛かったし、今振り返っても最大の挫折でした。
正しい努力と間違った努力|元プロ陸上選手・為末氏の考え方


どんな場面で「努力は嘘をつく」のか?
目安とされる学習時間の倍以上を費やしながらも目標に届かなかった私は、自分の学習法を根本から見直す決断をしました。
「問題の原因が学習量ではないなら、学習方法そのものに問題があるに違いない」と考えたからです。
ここで、「正しい努力」と「間違った努力」についてお話ししたいと思います。
このテーマに関して、元プロ陸上選手の為末 大氏が自身のYouTubeチャンネルで語った内容が非常に参考になります。
為末 大(ためすえ だい)
男子400mハードルの日本記録(47秒89)保持者で、シドニー、アテネ、北京の3度の五輪に出場した経験を持つ元トップアスリート。
ある視聴者が為末氏に、次のような質問を投げかけました。
「努力は嘘をつく」と私は考えていますが、それでも自分を信じて努力を続けるべきでしょうか?
この質問に対する為末氏の回答を要約すると、次のような内容でした。
勝負の世界では、確かに「努力は嘘をつく」ことがある。なぜなら、競争相手が存在する以上、自分がどれだけ努力しても、その努力が必ず結果に結びつくわけではないからです。
他人の行動や才能はコントロールできないため、いくら努力を重ねても、結果に反映されないことがあるのです。
一方で、ボディビルダーのカラダ作りなど、相手がいない場合は「努力は嘘をつかない」と言います。
ボディビルダーみたいな世界で、「こういうカラダになりたい!」という目標であれば、かなりの確率で「努力は嘘をつかない」
この話を語学の世界に置き換えて考えてみましょう。
「外国語を使って、大使館で働く」という目標を叶えようとする場合、努力は嘘をつく可能性が高いです。
なぜなら、競争相手がいますし、そもそも転職したいタイミングで希望の求人情報が見つからないかもしれないからです。それらの外的要因は自分ではコントロールできません。
一方、「DELE B2に合格する」という目標を叶えるにあたっては、「努力は嘘をつかない」です。
他の受験者の結果によって合格点は変わりませんし、どのタイミングで受験しても試験内容や採点基準に大きな違いはありません。
ほぼすべてを自分自身でコントロールできるため、「努力は嘘をつかない」と言えるわけです。
「何が勝負を決めるのか」を見極めよ
DELE試験において「努力は嘘をつかない」と仮定したとき、ある疑問が浮かびます。
11,000時間以上も費やしたのに、なぜその「努力」は報われなかったのか?
答えは明確です。それは、私が「間違った努力」をしていたからです。
ここで、再び為末氏の言葉を引用します(以下は要約です)。
「何事にも肝要な部分がある」
勝負を決めるポイント、つまり成功のカギとなる部分を見極める必要があります。そのポイントを意識して適切な練習を行うこと。そして、練習のたびにそのポイントを押さえられているかを振り返り、確認し続けることが重要です。これこそが「正しい努力」です。
要するに、ただ漫然と時間を費やすだけでは意味がありません。目的や効果を意識せずに続けた練習や勉強は、いくら長時間を掛けたとしても望んだ成果を生み出さないのです。
私の11,000時間は、まさに「勝負を決めるポイント」も見えないまま、漫然と過ごしてしまった時間だったと言えるでしょう。
語学において、学習量と学習法のどちらが大切か?


学習量と学習法のどちらも必要不可欠な要素



学習量と学習法、どちらがより重要なんだろう?
と、疑問に思う方もいるかもしれません。
その答えは、「どちらも必要不可欠な要素」です。
私自身、目安とされる学習時間の2倍以上を費やしながら、望んだ結果を得られませんでした。この経験から断言できます。
いくら時間をかけても、「正しい努力」をしなければ、ほとんど意味がないのです。
厳しく聞こえるかもしれませんが、私(私の費やしてきた時間と努力)を信じてください。でないと、私のようにただ漫然と時間だけを浪費してしまう羽目になるかもしれません。
では逆に、「正しい努力」さえすれば、あっという間にペラペラになれるのでしょうか?残念ながら、それも違います。
たとえば、前述した「短期集中型」のプランであっても、DELE B2に合格するには約900時間の学習が必要とされています。この時間をゼロに近づけることはできません。
もちろん、環境や才能に恵まれた人であれば、さらに短期間で結果を出せる可能性もあります。しかし、それでも必要な学習時間を半分に短縮するほどの差が生まれることはないでしょう。
語学学習において環境や才能が影響を与えるのは事実ですが、その影響力はあくまで限定的だと私は考えています。
結局のところ、語学学習で成果を出すには、「学習量」と「学習法」の両方が揃って初めて成り立つのです。
学生の様にまとまった学習時間が取れない「大人の外国語学習」であれば尚更、この二つの要素をどちらもしっかり押さえて学習をするべきです。
「楽譜を読んでいるだけでピアノは上手くならない」|学習の落とし穴
ここまで読んで、こんな疑問を抱いた方もいるかもしれません。



「正しい努力」が大切だということはわかったけど、具体的に何をすればいいの?
その答えを説明するのに最適な例として、ある動画を紹介させてください。
56万人以上の登録者を誇る人気YouTubeチャンネル「ニック式英会話」の動画「日本人が英語を話せない3つの理由」です。
この動画では、次のような印象的なメタファー(暗喩)が使われています。
いくら頑張って楽譜を読んでも、ピアノは上手くならない
つまり、「外国語を話せるようになるためには、文法書を読むだけでは不十分だ」ということです。
ニックさんはさらにこう説明します。
話すためには話す練習をするしかない。それによって話すための神経回路がつくられる。
よく耳にする「英語脳」や「スペイン語脳」という表現は、要するに「外国語を話すための神経回路が完成した状態」を指します。
そして、その神経回路は、たくさん話す練習をすることでしか構築されないのです。
文法学習は必要だが、それだけでは足りない|学習の落とし穴
誤解を避けるために申し上げますが、文法学習はもちろん必要です。
特に、英語のように小中高で基礎を学ばないスペイン語の場合、文法の基礎固めは不可欠です。
しかし、いつまでも文法書や作文練習にだけ頼っていては、話せるようにはなりません。これも事実です。
多くの学習者にとって、スペイン語を学ぶ目的は「話せるようになること」ではないでしょうか?
たとえ「読み書きができれば十分」と思っている方でも、内心では「話せるようになれたらいいな」と感じていることが多いはずです。
スペイン語を話すことが目的である以上、「話す練習」こそが最も効果的な学習法です。そして、それこそが「正しい努力」だと私は考えています。
スピーキング練習がなぜ効果的なのかについては、別の記事でも詳しく解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ|「正しい努力」で学習の成果を最大化しよう
この記事では、私自身の苦い経験を通して、「正しい努力」と「間違った努力」の重要性についてお伝えしました。
私が11,000時間以上の学習を経てもDELE B2に落ちた理由は、「勝負を決めるポイント」もわからぬまま、ただ漫然と勉強してしまったからです。
いくら膨大な時間をかけて学ぼうとも、「間違った努力」をしている限りは望んでいる結果は手に入りません。
学習量と学習法のどちらも、外国語学習に必要不可欠な要素なのです。
しかし、「楽譜を読むだけでピアノが上手くならない」のと同じように、文法書をたくさん読んだり練習問題を解いても、スペイン語を話せるようにはなりません。
単純ですが、話せるようになりたいのであれば、話す練習を繰り返して「話すための神経回路」をつくらないといけないのです。
これから学習を進める方には、ぜひその点を意識して取り組んでいただきたいです。
学習に対する意識をアップデートして、学習の成果を最大化させましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。感想や質問があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
私は日本語を母語とする方にとって「難しい」とされるスペイン語をわかりやすく伝えるため、様々な媒体で発信をしております。
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では、最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも一緒に学んでいきましょう。¡Hasta pronto!
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