¡Hola, todos! こんにちは、のぶしーと(@Nobu_Spanish)です。
今回のテーマは、スペイン語直説法の基本時制7つをイメージで理解する方法についてです。

会話になると時制の使い分けが上手くできない…



もしかして、「時制の定義」を覚えて理解したつもりになっていない?



え?それだけじゃダメなの?



日本語に置き換えて考えてごらん。動詞を活用するときに、いちいち定義を考えないでしょ?
スペイン語もそれと同じ。うまく使い分けるためには、定義じゃなくて、イメージで理解した方が良いんだ。
この記事はこんな方にオススメです。
- 動詞の時制が難しくてわからない方
- 時制の定義はわかるけど、会話になるとうまく使い分けができない方
こうした悩みを解決するための具体的な方法をお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
時制の「世界観パート❶」〜現在形・未来形・現在完了形・点過去形〜


まずはこの図をご覧ください。これが「世界観パート❶」のイメージ図です。
横軸は「時間の流れ」を示し、左が「過去」、中央が「現在」、右が「未来」を表しています。
縦軸は「発話時点」、つまり「今この瞬間」を表しており、ここを基準にどの時制を使うべきか考えていきます。
ここでは、次の4つの時制が登場します:現在形、未来形、現在完了形、そして点過去形です。



この図に、点過去形が入っているのはおかしいんじゃない?



お!いいところに気がついたね。でも、このグループ分けは正しいんだよ。
意外に知られていないのですが、スペイン語の動詞の時制は「絶対時制」と「相対時制」の2つのグループに分けられます。
「絶対時制」には、現在形、未来形、現在完了形、そして点過去形の4つが含まれています。
通常、過去形を学ぶ際に点過去形と線過去形を比較しがちですが、実は点過去形は現在完了形に性質が近いんです。
そのため、点過去形と線過去形の違いを理解するだけでなく、むしろ現在完了形と点過去形の違いに注目することで、点過去形を使うべきタイミングがぐっと明確にわかるようになります。
現在形(直説法)
現在形のイメージは「発話時点と同時に起きていること」です。
例えば、「話している今この瞬間」の状態(体調など)や状況(職業や住んでいる場所)を表す際に使われます。
Vivo en Tokio.
私は東京に住んでいます。
Trabajo como enfermero.
私は看護師として働いています。
現在形の詳しい用法に関しては、以下の動画で解説しています。よろしければこちらもご覧ください。
未来形(直説法)
未来形は、現在の発話時点より後に起こる予定や予測される出来事を表現するために使われる基本的な時制です。
日本語の「〜でしょう」「〜するつもりです」に似たニュアンスで使われ、未来の予定や、あるいは自信を持った推測を表すこともできます。
未来形のイメージは、「発話時点を基準として、その先に起きること」を指します。
つまり、発話時点の縦軸から右側の「未来」の空間での出来事を予測したり、予定として述べることができます。
Mañana estudiaré español.
明日はスペイン語を勉強するつもりです。
上記例は、単純に未来の予定を述べている文です。「明日(mañana)」という未来の時点に、自分が「スペイン語を勉強する(estudiaré)」という意思や予定を表しています。
未来形の使用によって、発話時点(今)から見た未来への意図が示されています。
Él llegará a casa a las ocho.
彼は8時に帰宅するでしょう。
上記例では、未来に発生する出来事として「8時に帰宅する」という予測を示しています。
主語が「彼」であるため、この文には発話者が未来についてある程度確信しているニュアンスが含まれており、聞き手にもその予測がわかりやすく伝わります。
現在完了形(直説法)
現在完了形は「発話時点より前に発生し、現在と繋がりのある出来事」を表します。
たとえば「今日」「今週」といった、今とつながっている時間枠の中で発生した出来事を指します。
He desayunado ya.
もう朝食を食べました。
¿Has terminado la tarea?
宿題は終わったの?
上記の2つの例が示しているのは、スペインの主な地域で使われる現在完了形の使い方です。
カナリア諸島やラテンアメリカなどでの使われ方と異なる部分がありますので、あらかじめご承知おきください。
点過去形(直説法)
点過去形は、過去の出来事で「現在と繋がりのないもの」を表します。
点過去形のイメージは「昨日のこと」や「先週のこと」など、「ある瞬間に完結し、現在と繋がりがない過去の出来事」です。
特に「いつ、どこで」など、具体的な時間や場所に基づいた行動を伝えるときに、点過去形は自然に用いられます。
Ayer comí una pizza deliciosa.
昨日、おいしいピザを食べました。
上記例では、行動が「昨日(ayer)」という特定の過去の一時点で完結しています。
「食べた」という行動は、その場限りで完了しており、現在との関連性はなく、「過去に完結した出来事」という点過去形の性質が表現されています。
Viví en España durante dos años.
スペインに2年間住んでいました。
上記例では、「住んでいた」期間が過去の特定の時間枠内で完了していることが表されています。
「2年間」という限定された時間枠で完結した出来事であり、現在の状態とは関係なく、独立して完結している点が特徴です。
時制の「世界観パート❷」〜線過去形・過去未来形・過去完了形〜


次に、パート❷の世界観を見ていきましょう。
ここでは横軸に「大過去(過去完了形)」「過去」、そして「現在」が登場します。一方、縦軸は「過去のある時点」なので、現在ではなく「過去の基準点」になります。
線過去形(直説法)
線過去形は「同時性」を表すという点において、現在形と似ているといえます。
現在形が現在の習慣や状況を表すように、線過去形は「過去のある時点における習慣や状況、状態」を表すときに使われます。
Desayunaba mucho de pequeño.
小さい頃、朝食をたくさん食べていました。
Terminaba las tareas pronto cuando era estudiante.
学生の頃、宿題を早く終えていました。
過去未来形(直説法)
過去未来形は、現在から見た未来ではなく、「過去のある時点」から見た未来の出来事や予想、あるいは条件が成立した場合に起こることを表す時制です。
過去未来形の基本的なイメージは、「過去の特定の時点を基準とし、その時点から見た未来に起こる出来事や状態」を表すことです。
たとえば、「彼が来るだろうと思った」というように、過去にすでに予測されていた未来の出来事や行動について述べるときに使われます。
これは、過去の一時点からさらに「未来」の方向へ伸びているイメージです。
Pensé que él llegaría a tiempo.
彼は時間通りに到着するだろうと思った。
この文では、「思った(pensé)」が過去の基準点になっており、その基準点から「到着するだろう(llegaría)」という未来への予想を表しています。
「到着するだろう」という予想が、「過去のある時点における未来」として示されており、話の文脈によっては「おそらく〜だろう」といったニュアンスが加わることもあります。
Sabía que sería difícil.
それは難しいだろうと分かっていた。
この例では、「分かっていた(sabía)」という過去の知識の中で「難しいだろう(sería)」という未来への推測が表現されています。
このように、過去未来形は過去の判断や知識に基づいて未来に起こることを予測する際に適しています。
過去完了形(直説法)
過去完了形、または「大過去」とも呼ばれるこの時制は、過去の基準点からさらに遡って起こった出来事や、過去のある時点で既に完了していた事柄を表します。
英語の「過去完了形」(had + 過去分詞)に近い概念で、「過去の過去」を意味するため、特定の場面における回想や背景説明で役立ちます。では、どのように使われるのか見ていきましょう。
過去完了形の基本イメージは「過去の基準点」に対して、さらに以前の出来事が関係していることです。
この「基準点」が重要で、まずその基準点(過去のある時点)を特定した上で、それよりも前に発生した出来事を過去完了形で表現します。
Cuando llegué a casa, mi madre ya había llegado.
私が家に着いたときには、母はすでに帰宅していました。
この例では、「私が家に着いたとき」が基準点(過去のある時点)です。
そしてその基準点よりもさらに前、母がすでに帰宅していたという出来事を「había llegado(帰宅していた)」という過去完了形で表現しています。
このように、ある出来事(自分が帰宅した)よりも前に完了していた動作や状態を説明する際に、過去完了形が使われます。
Cuando empecé a estudiar español, ya había estudiado inglés durante varios años.
スペイン語の勉強を始めたときには、すでに数年間英語を勉強していました。
ここでは「スペイン語の勉強を始めたとき」が基準点で、その時点で既に完了していた、数年間にわたる英語の学習経験を示すために、過去完了形「había estudiado」を使っています。
基準点となる時点が特定でき、そこからさらに前の出来事があれば、この過去完了形が役立ちます。
まとめ
ここまで、直説法の7つの時制について、そのイメージと使い方を詳しく解説してきました。
各時制の「世界観パート❶」と「パート❷」における基準となる縦軸をしっかりと頭に描くことの重要性が理解いただけたかと思います。
これさえ理解できれば、どの時制も、複雑な説明に頼ることなくイメージで理解できるはずです。
スペイン語の時制は難しく感じがちですが、どの時制も実際には日常会話や日常生活の中で驚くほど多く使われています。
恐れずに実際の会話や文章の中で積極的に使ってみると、さらに理解が深まるでしょう。
今後も、スペイン語学習に役立つ情報をさまざまな形で発信していきます。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
これからも一緒に学んでいきましょう。¡Hasta pronto!
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