「DELEを受験したことがないから、どんな試験かわからない…」
「筆記試験が不安で、どんな文章を書けば良いのかわからない…」
このような悩みや疑問はありませんか?

最近は、日本語で書かれたDELEの参考書も徐々に増えてきました。
しかし、「結局、どんな文章を書けばいいの?」という受験者が本当に知りたい情報はほとんど出回っていません。
今回の記事では、DELE A2 (Tarea 1) の模範解答を公開しつつ、どんな文章が合格する上で必要なのかお伝えします。


【基本情報】DELEとは? A2レベルはどのくらい難しい?


DELE(Diplomas de Español como Lengua Extranjera)は、スペイン語を母語としない人のための公式な言語資格試験です。
この試験は4つの技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)を評価・測定します。
英語試験のTOEICと違い、「話す」「書く」といったアウトプット能力も問われるのが特徴です。
A2は、6段階のレベル(A1〜C2)の中で下から2番目にあたります。初級と中級の間くらいのレベルで、日常生活で必要な語彙や表現を使えることが求められます。



下から2番目のレベルってことは、A2って簡単なの?



油断は禁物だよ。実は、A2は「日常会話で必要な基礎知識とコミュニケーションスキルを身につけること」が求められているんだ。
参考までに、「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」の6段階のレベル分けの中で、A2レベルがどのように定義されているかを確認してみましょう。
ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。
ブリティッシュ・カウンシル(太字とマーカーは筆者)
簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
【DELE A2】筆記試験の形式と書く際のポイント


【DELE A2】筆記試験の形式と時間配分
A2の筆記試験は2つのタスク(Tarea)から構成されています。
制限時間は45分で、Tarea 1とTarea 2を合わせて、合計2つの文章を書く必要があります。今回はその中から、Tarea 1について解説します。
45分のうち、5分は見直しに使い、残り40分を2つのタスク(Tarea 1とTarea 2)に分けると良いでしょう。
つまり、Tarea 1には20分を目安に取り組み、余裕を持って見直しができるよう事前に練習しておくことが大切です。
【DELE A2】Tarea 1の特徴と書く際のポイント
Tarea 1では、友人に宛てたカジュアルな返信メールを書く形式です。フォーマルな表現は必要なく、親しい友人に書くイメージでOKです。
問題文には、友人からのメッセージと「書くべき内容」が5つ提示されています。
これらの内容は毎回同じとは限りませんが、大まかなテーマや構成はほとんど変わりません。そのため、基本的なパターンを押さえておけば安心して対応できます。
今回参考にしたTarea 1のテーマは、「友人のアドリアンから次の旅行先について提案を求められ、それに返信する」という内容です。
参考動画はこちら:✍ Cómo hacer la tarea 1 escrita del EXAMEN DELE A2
返信内容には、次の項目をすべて含めることが求められます。
- 挨拶をする
- 休暇を過ごす場所を提案する
- 提案した場所の興味深い点を説明する
- 会う日・場所・時間を提案する
- 質問をし、別れの挨拶を書く
次の段落では、それぞれの必要項目をどのように攻略すればよいかを詳しく解説していきます。
【DELE A2】Tarea 1の模範解答を大公開!


合格する文章の書き方|挨拶
Querido Adrián:
(アドリアンへ)
答案の文章は上記のように、宛名から始めます。
「Querido」はカジュアルな挨拶であり、A2レベルでは適切な表現です。
宛名の後には「:(コロン)」を使うのが正しい形式です。カンマ「,」を使わないように注意しましょう。
これはDELE試験の形式として非常に重要で、正確な記号の使用が採点に影響する可能性があります。
名前の部分(Adrián)は、問題文のメッセージに書かれている送り主の名前を必ず確認し、それを使用します。
合格する文章の書き方|休暇先の提案
「Roma, Italia(ローマ、イタリア)」のように、具体的な場所を提案する必要があります。
都市名だけでも問題ありませんが、国名を加えることで、少しですが単語数を稼ぐことができます。
また、実際の文章ではこのような書き方が自然なため、慣れておいて損はないでしょう。
例えば、「Barcelona(バルセロナ)」と書くだけではなく
Barcelona, España
(バルセロナ、スペイン)
と記載するような形がオススメです。
提案する場所は自分の書きやすいものを選んで問題ありません。
事前にいくつかの場所を候補としてストック(記憶)しておくと良いでしょう。
合格する文章の書き方|提案理由(興味深い点)の説明
提案した場所の魅力を説明する部分では、以下に示す通り「その場所を簡潔に特徴づける表現」が求められます。
Es una ciudad muy famosa por sus lugares históricos
(歴史的な場所で有名な街です)
また、「Además(さらに)」のような接続詞を使って情報を追加すると、文章が自然な流れになり、採点官に良い印象を与えます。
この模範解答では、次のような形で2つ目の魅力を加えています。
Además, hay muchísimos museos de bellas artes
(また、多くの美術館があります)
こうした追加情報は、単語数を増やすと同時に説得力のある内容に仕上げるためのポイントです。
合格する文章の書き方|場所・日時の提案
¿Quedamos en la cafetería de siempre?
(いつものカフェで会おうか?)
上記のように、具体的な場所を提案しましょう。
ここで書く「場所名」は架空の名前でも構いませんので、「集合場所」がハッキリとわかるように記載しましょう。
例えば、「la cafetería de siempre(いつものカフェ)」のように少し慣れ親しんだ雰囲気を出す表現や、具体的なカフェの名前(例:la cafetería María)を使用するのもおすすめです。
日時は次のように、日付(viernes=金曜日)と時間(a las 5 de la tarde=午後5時に)を具体的に記載することが重要です。
¿Te parece bien el viernes a las 5 de la tarde?
(金曜日の午後5時でどうかな?)
何かと便利なこの形式を覚えておけば、他のレベルの試験でも応用可能です。
合格する文章の書き方|質問と結びの言葉
質問は1つで十分ですが、模範解答では次の2つの質問を使用しています。
¿Quedamos en la cafetería de siempre?
(いつものカフェで会おうか?)
¿Te parece bien el viernes a las 5 de la tarde?
(金曜日の午後5時でどうかな?)
規定に対して文字数が少ない場合は、様々な文法や語彙を使う機会として、2つ目の質問を追加してみるのも良い方法です。
通り一辺倒ではないスペイン語表現を使うことで、採点時に加点が期待できます。
Un beso,
(よろしく/キスを送ります)
最後に、別れの挨拶は「Un beso,」のような決まり文句で締めます。
この部分は簡単に考えてください。「Un abrazo,」「Un saludo,」といった他の定型表現でもOKです。
最後の記号には「,(カンマ)」を使うことを忘れないようにしましょう。
一番下の「署名(署名欄)」には自分の名前や架空の名前を入れれば完成です。
まとめ|DELE A2の筆記を攻略する方法
今回は、DELE A2の筆記試験(Tarea 1)について詳しく解説し、模範解答を紹介しました。
ポイントは、「書くべき5つの内容を確実に盛り込むこと」と「形式や表現のルールを守ること」です。
特に、挨拶や別れの表現といったテンプレートを事前にしっかり準備しておけば、当日の試験でもスムーズに書けるでしょう。
また、接続詞を適度に使って文章を構築することで、採点官に好印象を与えることができます。
筆記試験は、事前の練習次第で大きく点数を伸ばせるパートです!
この記事が少しでも役に立てば嬉しいです。
今後、A2筆記のTarea 2についても解説する予定ですので、ぜひお楽しみに!
ここまでお読みいただきありがとうございます。感想や質問があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
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では、最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも一緒に学んでいきましょう。¡Hasta pronto!
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