【スペイン語時制】直説法・現在形のマスターからはじめよ

現在形が使える範囲のイメージ

¡Hola, todos! こんにちは、のぶしーと(@Nobu_Spanish)です。

今回のテーマは、スペイン語の時制の基礎である「直説法・現在形」についてです。

(以降、「現在形」と表記しますが、すべて直説法の現在形を指しています)

ラルル

現在形なんて簡単だよ!

のぶしーと

お、頼もしいね!じゃあ、現在形の使い方を5つ、全部説明できるかな

ラルル

え…?5つもあるっけ?

のぶしーと

そうだよ。今回はその5つの使い方について、一緒に学んでいこう!

この記事は、こんな方におすすめです。

  • 現在形についてあまり知らない方
  • 動詞の時制の使い分けに自信がない
  • 現在形の5つの使い方がすぐに思いつかない

例文も一緒に紹介しますので、最後まで読めば違いをより深く理解できるはずです。ぜひご一読ください。

目次

スペイン語の現在形は軽視されすぎている

結論から言うと、現在形には以下の5つの使い方があります

  1. 発話時点で進行中の事柄
  2. 不変の事実
  3. ほぼ確実な未来の出来事
  4. 歴史的な事柄
  5. 「si」で始まる条件節

もっと細かく分類することも可能ですが、主な使い方はこの5つだと考えています。

各使い方を詳しく説明する前に、まず質問です。皆さんは現在形についてどんな説明を受けてきましたか?

おそらく「現在形は基本的な活用だ」とか「習慣を表す時に使う」といった説明だけではないでしょうか? 

実際、現在形の5つの使い方を知らない学習者が多いのが現状です。多くの講師は現在形の説明を早々に終わらせて、現在完了形や過去形など次の時制に進むことが多いです。

その結果、動詞の時制の使い分けが分からなくなる人が増えているのではないかと私は考えています。

まずは、現在形をしっかりと学ぶことが大切です。

現在形を学べば「時制の使い分け」が上手くなる

ラルル

たしかに時制の使い分けは苦手。でも、苦手なのは点過去形と線過去形の使い分け。正直、現在形の話は興味ないんだよね…

のぶしーと

なるほど。でもね、現在形を正しく理解できていないから過去形の使い分けができていないのかもしれないよ。

ラルル

えっ…?どういうこと?

「現在形を学べば時制の使い分けが上手くなる」と聞いて、首をかしげる方も多いかもしれません。ここには、2つの思い込みが隠れています

  • 現在形は簡単だから、すでにマスターしているはずだという思い込み
  • 現在形を深く学んでも、過去形の使い分けには役立たないという思い込み

下の図をご覧ください。これが、現在形が使える範囲のイメージです。

中央にある黒い縦軸は「発話時点」(話している瞬間)を示し、黒い横軸は時間の流れを表しています。簡単にいえば、中央の水色の楕円の中にある部分が「現在」の範囲

つまり、「現在」という概念を「点」ではなく、「面」で捉えるのです。

個々の使い方については後で詳しく説明(イメージ図には入れていませんが、5つ目の使い方も後述)しますが、まずはこのイメージをしっかり頭に入れておいてください。このイメージが、過去形の使い分けを学ぶ際にも役立ちます

次に、こちらの図をご覧ください。

これは先ほどの現在形のイメージを応用して、過去形の範囲を考えた場合のイメージです。縦軸は「過去のある時点」を、横軸は時間の流れを示しています。

現在形の正しいイメージを持っていれば、視点を少し変えるだけで、過去形の使い分けも一気に上達します

 (今回は現在形がテーマなので、過去形の詳細な解説は割愛させていただきます)

現在形の使い方①「発話時点で継続中の事柄」

ここまでは概念的な話が多く、少し難しく感じたかもしれません。ここからは具体的な内容に移りましょう。 まずは、こちらの投稿をご覧ください。

現在形の5つの使い方を大まかに理解する上で、この投稿が役に立つはずです。

では、1つ目の使い方「発話時点で継続中の事柄」について解説します。この使い方は、主に次の3つの状況を表現する際に使われます

  1. 発話時点で継続中の事柄
  2. 現在の情報(能力や状態)
  3. 現在も続けている習慣

発話時点で継続中の事柄

これは、現在住んでいる場所や現在の仕事に関する話など、発話時点で継続中の事柄を表すときに使えます。

Vivo en Madrid.

私はマドリードに住んでいます。

Trabajo como comercial.

私は営業職として働いています。

現在の情報(能力や状態)

こちらは、「英語が話せる」といった能力の説明や、「今日は日差しが強い」といった現在の状態を伝えるときに使います。

「能力(〜ができる)」という表現で、助動詞「poder」を思い浮かべる方もいるかもしれません。確かに、この現在形の使い方と助動詞「poder」には共通点があり、どちらを使っても文が成立することが多いです。

Puedo hablar inglés muy bien.

私は英語をとても上手に話すことができる。

Hablo inglés muy bien.

私は英語がとても上手です。

上記の2つの文章は似た意味を持っていますが、ニュアンスに若干の違いがあります

前者は、特定の状況や条件が整えば話せる、という「潜在的な可能性」を含む言い方です。訳すなら「(もし必要なら)私は英語を上手に話すことができる」といった感じです。

後者は、その場面に関係なく、英語を話せるスキル自体を持っているという事実を表現しています。

細かい違いがあるとはいえ、どちらも正しい表現です。もし、難しい話を避けたい場合は、現在形で「現在の情報(能力や状態)」を表すことができる、という点を覚えておけば十分です。

現在も続けている習慣

「現在も続けている習慣」を表す場合は、頻度や時期・時間帯を表す表現と一緒に使われることが多いです。

頻度を表す表現

  • Todos los días(毎日)
  • Todas las mañanas(毎朝)
  • Todas las tardes(毎夕)
  • Todas las noches(毎晩)
  • Todos los fines de semana(毎週末)
  • Frecuentemente(頻繁に)
  • Normalmente(普段は、いつもは)
  • A menudo(しばしば)
  • A veces(ときどき)
  • Pocas veces(稀に)

時期や時間帯を表す表現

  • En vacaciones(休暇中に)
  • Las primaveras(春ごとに)
  • Los veranos(夏ごとに)
  • Los otoños(秋ごとに)
  • Los inviernos(冬ごとに)
  • Por las mañanas(午前中に)
  • Por las tardes(午後に)
  • Por las noches(夜に)

Me levanto a las 6 todos los días.

私は毎朝6時に起きます。

Juego al fútbol a veces.

私はときどきサッカーをします。

現在形の使い方②「不変の事実」

続いて、2つ目の使い方の「不変の事実」について説明します。こちらは、発話時点での事実や、過去・現在・未来において不変であると考えられる事柄を表します。

Japón está lejos de España.

日本はスペインから見て遠い。

La Tierra gira alrededor del Sol.

地球は太陽の周りを回っている。

現在形の使い方③「ほぼ確定の未来」

3つ目の使い方では、近い未来の行動や計画など「ほぼ確定している未来」を表すことができます。この意味で現在形を使う場合、以下の表現と一緒に使われることが多いです。

  • Esta tarde(今日の午後)
  • Esta noche(今夜)
  • Luego(後で)
  • Mañana(明日)
  • Pasado mañana(明後日)
  • Dentro de 3 días(3日後に)
  • La semana que viene(来週)
  • La semana próxima(次の週)

¿Vienes al cine esta tarde?

今日の午後、映画を観に行く?

No puedo porque mañana tengo examen.

明日テストがあるから無理だよ。

この意味で現在形を使う場合、「ir + 不定詞」を使った未来表現と似ていることも覚えておいてください。

現在形の使い方④「歴史的事実」

「現在形」という名前に反して、過去の出来事や歴史的な事実も現在形で表現できます。これによって、歴史的な出来事をより生き生きと描写することが可能です。

Colón descubre América en 1492.

コロンブスは1492年にアメリカを発見します。

Napoleón se corona emperador en 1804.

ナポレオンは1804年に皇帝に即位します。

現在形の使い方⑤「si」で始まる条件節

接続詞「si(もし~なら)」で始まる文(条件節)でも、現在形を使うことができます。これにより、発話時点や未来の状況に対する条件や仮定を表現できます

Si hace buen tiempo mañana, haremos un picnic.

もし明日天気が良ければ、ピクニックに行こう。

Si vienes conmigo esta tarde, te invitaré a una cerveza.

もし今日の午後一緒に来てくれたら、ビールを一杯奢るよ。

なお、「si」で始まる文(節)では、直説法の未来形や接続法の現在形は使えないので注意が必要です。

本日のまとめ

一見、簡単な時制として軽視されがちな現在形ですが、実は深く理解することで、他の時制の使い分けにも役立ちます

この記事が参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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それでは、¡Hasta pronto!

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