僕も同じ経験をしてきたので気持ちはわかります。
しかし、学生の時から毎週のようにランゲージエクスチェンジに通ったりメキシコにいる間も毎日1時間の会話練習をしたりして、今では誰とでも怖じけることなく雑談することができます。そのコツを1つお教えしましょう。

結論からお伝えすると、雑談のテーマとして「学業」の話をすることをオススメします!
この記事では、スペイン語の雑談が苦手な方に向けて、
- オススメのテーマ
- どのように雑談を始めれば良いか
- 「学業」に関する表現やその例文
などについて解説します。
例文もあわせて紹介するので、最後まで読むことで違いをより深く理解できるでしょう。ぜひご一読ください。


(YouTube: のぶしーと)
なぜ「学業」が最強の雑談テーマなのか?


僕の経験上、雑談のテーマとして最適なのは「学業の話」です。
理由は2つあります。1つ目は当たり障りないテーマなので誰にでも使うことができるからです。外国語でコミュニケーションを取る以上、相手の国籍や宗教が違う可能性が高いです。
その場合、気をつけなければならないのがタブーのテーマに触れないことになります。例えば、スペインと聞くと闘牛を思い浮かべるかもしれませんが、スペイン人の中で「闘牛は絶対に許さん!」という人も中にはいます。というか、たくさんいますね。
ですので、そういったテーマを初対面の相手とのテーマに持ち出すのはふさわしくないですよね。一方、学業というテーマは相手の国籍・年齢・性別・宗教に関係なく誰にでも使うことができるのでオススメです。
2つ目の理由は、話を広げやすいからです。例えば相手の国籍や出身地を聞いたとしましょう。そこがもし、あなたにとって聞き馴染みのない国や地域だった場合、どうしますか?そこから話を広げるのは非常に困難だと思います。
一方、学業というのは、世界中を見渡しても学問のテーマには限りがあります。つまり、ある程度の予想をつけて話をする準備ができますよね。例えば、経済や医学、哲学など日本にある学問は諸外国でも存在する学問です。
もし仮に、一風変わった学問であったとしても、それはそれで話を広げるタネになります。例えば、僕の専攻は 16〜17世紀のスペインの宗教画の歴史です。この話をすると、大抵スペイン人は食いついてきます。「なんで日本人なのにそんなマニアックなことを勉強したの?理由を教えて!」っていう感じですね。
ですので、少し変わった学問であればあるほど、むしろ会話は広げやすいです。つまり、どんな学問であっても、雑談のテーマとしてはぴったりです。
雑談を始めるためのスペイン語表現



「学業」がテーマとしては良いことは分かったけど、どういう風に雑談を始めればいいかがわからない…



そうだね。じゃあ、1つ会話例を見てみようか!
Yo: Por cierto, Juan, ¿estudias o trabajas?
私: ところで、フアン、勉強しているの?それとも働いているの?
Juan: Trabajo como diseñador gráfico.
フアン: グラフィックデザイナーとして働いています。
Yo: ¡Qué interesante! Entonces, ¿dónde lo aprendiste?
私: それは面白いですね!じゃあ、どこでそれを学んだんですか?
Juan: Estudié diseño gráfico en Madrid, pero cursé asignaturas de distintas áreas. Por ejemplo…
フアン: マドリードでグラフィックデザインを勉強しましたが、いろいろな分野の科目も履修しました。例えば…
上記の会話例のように、まずは「¿Estudias o trabajas?」と聞いてみるのが良いでしょう。なぜなら、シンプルな質問で相手も回答しやすいからです。
しかも、この例文で見た通り、一度仕事の話に進んでしまったとしても、学業の話に引き戻すことも簡単にできます。
例えば、「そういう仕事されてるんですか?すごいですね!それってどこで勉強されたんですか?」っていう感じです。
話し相手が学生の場合は「今、こういうことを勉強しているんです」という風に回答が返ってくるでしょうから、そしたらそのまま学業の話を深掘りしていけばいいだけです。
「¿Estudias o trabajas?」という表現は、相手が社会人でも学生でも、最終的に自分の土俵(学業)の話に引きずり込める、という点で非常に優秀な質問だと思います。
雑談をする上で重要なポイント


雑談をする上で非常に重要なのは、自分で主導権を握ることです。もし、相手に主導権を握らせてしまうと、どんなテーマが来るか分からないですよね。相手が選ぶテーマが非常に難しい可能性もありますし、自分が全然知らない領域の話の可能性もあるわけです。
したがって、そのリスクを避けるために自分から質問して会話の主導権を握ってしまうのがベターです。結局これが、1番簡単な雑談の仕方です。
自分にとって話しやすいテーマや自信のあるテーマであれば、スムーズに話すことができるはずです。
「学業」に関する表現やその例文
では。学業に関するスペイン語表現を見ていきましょう。
表現「私は〜の学位を持っています」
- Soy graduado en + 専攻名
「私は〜の学位を持っています」
- Estoy graduado en + 専攻名
「私は〜の学位を持っています」
「私は〜の学位を持っています」という意味の表現です。空欄部分に専攻名を置くことで「私は〜を専攻して大学を卒業しました」ということを伝えることができます。
動詞は”Soy”でも”Esto”でもOKです。しかし、”Soy”の方をオススメします。そちらの表現の方がよく使われるからです。
では、例文を2つ見てみましょう。
Soy graduado en economía.
私は経済学の学位を持っています。
Soy graduado en historia del arte.
私は美術史の学位を持っています。
これらの表現を書く時のトリビアを1つご紹介します。
専攻名(例:economía, historia)を表す単語の頭文字を大文字にして書くことがあります。特にフォーマルな 場面では大文字にして書くことが多いです。
しかしながら、小文字で書くことが間違い というわけではありません。大文字で書いても小文字で書いても、文法的にはどちらも正しいので迷わないようにしましょう。
表現「修士号/博士号を持っています」
- Tengo un máster en + 専攻名
「私は〜の修士号を持っています」
- Tengo un doctorado en + 専攻名
「私は〜の博士号を持っています」
これらの表現の文法自体はシンプルなので問題ないかと思います。
- Tengo(私は〜を持っています)
- un máster(修士号)
- en + 専攻名(〜に関する)
ここでは、単語を覚えることにフォーカスしましょう。”un máster”の意味は「修士号」です。”un doctorado”の意味は「博士号」です。
では、例文を2つ見てみましょう。
Tengo un máster en economía.
私は経済学の修士号を持っています。
Tengo un doctorado en historia del arte.
私は美術史の博士号を持っています。
上記の表現に関して、1つ注意点をお伝えしておきます。ネイティブの中には、前置”en”の代わりに、”de”を使って表現する人もいますが、これをマネするのはやめましょう。
”de”を使ってももちろん意味は伝わりますが、誤用だと認識されるリスクがあります。特に、DELEやスペイン語検定では、例文で示した通りに前置詞”en”を使うことをオススメします。
Tengo un máster de economía.
Tengo un máster en economía.
表現「私は〜を専攻しました」
- Estudié + 専攻名
「私は〜を専攻しました」
- Estudié + 専攻名
「私は(〜大学で)/(〜年に)〜を専攻しました」
これもまた、シンプルな文法を使った表現ですよね。動詞”estudiar (勉強する)”の直後に専攻名を置くだけです。お好みで、大学名や卒業年を文章に付け加えることもできます。
では、例文3つ見てみましょう。
Estudié economía.
私は経済学を学びました。
Estudié en la Universidad de Sofía.
私は上智大学で学びました。
Estudié español en la Universidad de Salamanca.
私はサラマンカ大学でスペイン語を学びました。
表現「私は〜を専攻しました」
- Me gradué en + 専攻名
「私は〜を専攻しました」
- Me especialicé en + 専攻名
「私は〜を専攻しました」
上記のどちらの表現を使っても意味は同じです。少なくともどちらか1つを覚えて使えるようにしておきましょう。
では、例文を2つ見てみましょう。
Me gradué en filología hispánica.
私はスペイン語圏の文献学を専攻しました。
Me especialicé en publicidad y relaciones públicas.
私は広告と広報を専攻しました。
表現「私は〜を専攻しました」
- Estoy especializado en + 専攻名
「私は〜を専攻しました」
“especializado”が聞き馴染みがない方もいるかもしれません。これは、動詞”especializar(se)”の過去分詞形で、「estar especializado en + 専攻名」の形で頻出です。ぜひ覚えておきましょう。
では、例文を1つ見てみましょう。
Estoy especializado en literatura inglesa.
私は英文学を専攻しました。
表現「私は〜年に大学に入学しました」
- Entré/Accedí a la universidad en 年
「私は〜年に大学に入学しました」
上記の文脈において、動詞”entrar”と”acceder”は同じ意味です。強いていえば、”entrar”の方がより一般的に使われる動詞ですね。
では、例文を2つ見てみましょう。
Entré a la Universidad Tokai en 2012.
私は2012年に東海大学に入学しました。
Accedí a la Universidad Tokai en 2012.
私は2012年に東海大学に入学しました。
表現「私は〜に出席しました/通いました」
- Asistir a …
「私は〜に出席しました/通いました」
この表現は「〜に出席しました」もしくは「〜に通いました」という意味です。この空欄部分に、大学や授業名に相当する単語を入れて使うことができます。
では、例文を2つ見てみましょう。
Asistí a la universidad durante cuatro años.
私は4年間大学に通いました。
Asistí a la clase de pedagogía.
私は教育学のクラスに出席しました。
表現「私は〜に出席しました/通いました」
- Cursé …
「私は〜を履修/受講しました」
この表現を使えば、あなたが何を勉強していたのかを具体的に伝えることができます。そもそも、雑談において、具体的に「何を勉強していたのか」を伝えることは大切です。
例えば「私の専攻は国際コミュニケーションです!」と聞いて、あなたは何をイメージしますか。具体的に何を勉強している学問なのか、僕にはさっぱりわかりません。笑
要するに、専攻名を伝えるだけでは会話は広がりにくいということです。より簡単に雑談を盛り上げるためには、具体性が必要ということです。
例えば、どんな科目やプログラムを受講していたのかなどを相手に伝えてあげるのが良いでしょう。
では、例文を3つ見てみましょう。
Cursé una asignatura de filosofía.
私は哲学の科目を履修しました。
Cursé la carrera de medicina.
私は医学のコースを受講しました。
Cursé un programa de intercambio en España.
私はスペインで交換留学のプログラムを受講しました。
表現「私は〜に関する小論文/論文を書きました」
- Hice una tesina sobre …
「私は〜に関する小論文を書きました」
- Hice una tesis sobre …
「私は〜に関する論文を書きました」
ここのポイントは表現自体ではなく、単語の違いをしっかりと理解することです。文法的にいえば、動詞”hacer”を使ったシンプルな文章だからです。
例文に書いてある通り、小論文を意味する単語が“una tesina”。論文を意味する単語は”una tesis”です。その後に、前置詞”sobre”を使うことで「小論文/論文のテーマ」について付け加えることができます。



ぜひこの記事を参考にして、スペイン語の雑談にどんどん挑戦してみてください!
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