
1年以上もスペイン語を勉強しているけど、全然上達しないニャ。
そもそも、日本に居ながら習得するって無理な気がする…



そんなことないよ!海外経験なしで、スペイン語をマスターした人はたくさんいるよ。上達を実感できていない原因は、アウトプットの方法かもしれない。今から、自信を持って話すための正しい考え方を教えていくよ。
★ 本記事の内容
■【学習効率UP】アウトプットの前に「文法のコア」を理解する
■スペイン語会話を始める前に●●をやるべき!その理由とオススメの学習法
★ Nobu(@Nobu_Spanish)って、どんな人?
こちらの記事をまとめるとこんな感じです。
- 第二言語習得理論に基づく「正しい学習順序」に沿って、学習するのが最短ルート。
- まずは文法のコアを理解しましょう。確かな土台が高くジャンプするための秘訣。
- スペイン語会話をはじめる前に「発信型」学習を取り入れましょう。
【学習効率UP】アウトプットの前に「文法のコア」を理解する


「●●だから、スペイン語が話せない」という思い込みをなくす



もう35歳だから、今からスペイン語なんてムリなんじゃ…



気持ちはわかるけど、その考え方のままだと学習効率が低くなるから、もったいないよ。
効率よくスペイン語学習を進めるためには、正しい考え方を身につける必要があります。
「●●だから、私はスペインが話せるようにならないんだー」という思い込み(メンタルブロック)に囚われている人に、何を教えても吸収しません。
いきなり厳しいことを言ってすみません…(でも、本当です)
例えば、メキシコ人の友人が「日本語を勉強したい!」と相談してきたとしましょう。嬉しいですね。
あなたは、思いつく限りの学習法や教材をオススメしてあげました。「ありがとう!頑張って勉強するね!!」と言ってから3ヶ月…
「あれから、どう?勉強捗ってる?」と聞くあなた。
「あぁ、、、アレね。私、記憶力悪いからムリだったわ」
「じゃあ、最初から聞いてくんなぁぁぁ!!」と思うのは、私だけでしょうか…?
「やってみたけど、なんか思っていたのと違ったわー」とかなら、まだわかります。記憶力って何ですか。
外国語が話せる人はみんな、天性の高い記憶力の持ち主だとでも思っているんでしょうか???
上の例は極端ですが、「●●だから、私は話せない」という間違った思い込みは至る所で見聞きします。あなたも、ついつい言ってしまっていませんか?
- 頭が悪いから〜
- もう歳だから〜
- 英語が話せないから〜
- 留学できないから〜
- 人見知りだから〜
外国語学習に限らず、こういったネガティブな思い込みは、学習効率を下げるだけです。少しずつで構わないので、前向きな言動を心がけましょう。
一つコツを教えますね。言い方を工夫してみましょう。印象がガラッと変わります。
- 学校の成績は良い方じゃなかったけど、やってみよう
- 「今が人生で一番若いとき」って言うし、やってみよう
- 英語は話せないけど、スペイン語は話せるようになりたい
- 留学できないから、日本でできる方法を探してみよう
- 人見知りだから、いきなり会話だと緊張しちゃうかも。メッセージのやり取りから始めよう
専門家が提唱する「正しい学習順序」を知る【自然順序仮説】



ラクして上手くなる方法ってないのかニャ?



それはないけど、効率の良い学び方を研究する学問はあるんだ。「第二言語習得理論」っていうよ。
「正しい」学習順序を知ることで、効率よく外国語を習得できるといわれています。
とはいえ、「何からはじめればいいか、わからない」というのが多くの学習者が抱える悩み。
英語ほどではないとはいえ、書店に行けばスペイン語のテキストがズラリと並んでいます。
SNSを開けば、「●●はするな!」「●●をすれば、●ヶ月で●●できる!」の大合唱。
情報が多すぎて、逆に困ってしまいますよね。
その点、第二言語習得理論は専門家が50年以上かけて研究してきた学問なので、普遍的かつ信頼できるといえます。
この理論の中で、成人の言語習得には正しい学習順序があるとされています。それが「自然順序仮説」と呼ばれる理論です。



しぜんじゅんじょ仮説…
なんだか難しそうだニャ



そう言うと思って、要点をまとめておいたよ。正しい学習順序はこの6ステップに分けられるんだ。
- 「文法のコア」を学習する
- 十分な量のスペイン語をインプットする
- 「受信型のスペイン語」から「発信型のスペイン語」へ切り替える
- 「発信型のスペイン語」から「相互理解のためのスペイン語」へ切り替える
- 自分のスペイン語をモニタリングする方法を身に付ける
- 学習方法をカスタマイズし、学習を継続する
「文法のコア」というのは、最初に学ぶべき初歩的な文法や語彙のことを指します。
名詞や動詞など、品詞もしっかり理解しておいた方がよいです。しっかりとした土台を作ることで、この後の学習効率がグンと上がります。
たとえば、文法や動詞の活用を全く知らない状態でオンラインレッスンを受講するとしましょう。会話が成り立たないですよね。
「勢いとジェスチャーでなんとかなる!」と豪語する方は確かにいます。
ですが、専門家が積み上げてきた叡智の結集を横目に、裸一貫で戦場に飛び込んでいくような馬鹿な真似はしないでもらいたいです。
私たちの脳は子供の頃のように柔らかくはないですが、論理的思考には長けています。
科学的に立証された方法に沿って、賢く学んでいくのがスペイン語習得までの最短ルートだと私は思います。
理解可能なものをとにかくインプットするべし!【インプット仮説】



急に根性論になったニャ…



根性論じゃないよ!「インプット仮説」という理論に基づくと、これは正しいアプローチなんだ。
あなたもルイサと同じように不安になったかもしれません。
私が新卒で入社したゴリゴリの営業会社にも「とにかく●●するべし!」って、過去の栄光にすがっていばり散らす40代後半の営業部長がいました…(遠い目)
「●●するべし!」と聞いて不安になるお気持ちはよーーくわかりますが、「戻る」をタップする前に聞いてください…
…はい。子供が!母語を!習得するまでの時間が約20,000時間です。
大人の我々は一体どれくらいのインプットをするべきなのでしょうか…?想像を絶します。
ここで申し上げたいのは「20,000時間勉強するまで、話すな!」ではなく、「とにかくインプットするべし!」は根性論でも何でもなく、理論的に正しいということです。
大人より遥かに吸収力に秀でた子供たちが、それだけ大量のインプットを経て話せるようになっているのが現状。
大人のスペイン語学習でインプットを軽視していいはずがないんです。実情。
「じゃあ、とりあえず洋画をたくさん観よう!」と思う方が多いのですが、これもよくある間違いです。
なぜなら、人は理解できない音は雑音にしか聞こえないからです。
ここで使える考え方が「インプット仮説」です。
この理論では、自分が理解可能なレベルを少しだけ越えるようなものをインプットすることが勧められています。
「少しだけ」というのが肝です。感覚的には、内容の80〜90%を理解できるようなレベルがちょうど良いのかなぁと。
あまりに簡単すぎると、それはそれで効果が薄いので注意!
ここまで読んでくださった方なら、初心者が洋画を観るのは非効率な学習方法だと共感してくれるはずです。
難易度にもよりますが、メキシコ在住5年目の私でも、メキシコ映画を字幕なしで90%以上理解できる自信はありません…
念の為、申し上げます。「映画やドラマをスペイン語で観るのがダメ」といっている訳ではありません。
科学的な見地に基づくと、あまり効率的な学習法ではないですよー、という話です。
趣味でスペイン語映画を観るのは、むしろ良い習慣だと思います。
スペイン語会話を始める前に●●をやるべき!その理由とオススメの学習法


スペイン語会話をはじめる前に取り入れるべき「発信型」の学習とは?



インプットだけしてても、話せるようにならないんじゃニャい?



その通り。だから第二言語習得理論では、インプットとアウトプットの間にもう一つステップを設けているんだ。それが「発信型」学習だよ。
まずは、「受信型」と「発信型」の定義を明確にしておきましょう。
「受信型」の外国語学習をひとことで表すと、受験英語です。書いてることや聞こえてくることを理解することに重きが置かれていますよね。
一方、「発信型」の学習はスピーキングとライティングのこと。
ただし、会話ではなく、あくまでも一人で発信するタイプのアウトプットです。
スペイン語で日記を書いたり、ぶつぶつと独り言をいう練習がこのカテゴリーに分類されます。
- 「文法のコア」を学習する
- 十分な量のスペイン語をインプットする
- 「受信型のスペイン語」から「発信型のスペイン語」へ切り替える
- 「発信型のスペイン語」から「相互理解のためのスペイン語」へ切り替える
- 自分のスペイン語をモニタリングする方法を身に付ける
- 学習方法をカスタマイズし、学習を継続する



めんどくさいニャ…
ネイティブと会話練習した方が効率よくない?



「発信型」学習をしないで会話をはじめると、十中八九、上手く話せなくて落ち込むよ。それは当然。インプットしたことを使う練習をしていないからなんだ。
なぜ、インプットの後にすぐ会話練習(相互理解のための学習)に入らないのでしょうか?それはインプットをしているだけでは、アウトプット力は身に付かないからです。
たとえば、「聞いているだけでペラペラになれる」的な教材を3ヶ月使い続けたとしましょう。
3ヶ月後、聞いていた音声と同じような発音やイントネーションで流暢に話せるようになっていると思いますか?思いませんよね。
そう。インプットは確かに大切ですが、それだけを繰り返していてはいつまで経っても上手にアウトプットできません。
どんなに素晴らしい土台を作っても、資材を組み立てたければ立派な家は立たないのと一緒です。
ルイサが懸念している通り、「発信型」学習は一見、遠回りに見えます。
でも長い目で見ると、これが最短ルートです。焦らずに正しい順序で進んでいきましょう。
DELE C2取得予定の筆者がオススメする「発信型」学習の方法3つ
次の3つをオススメします。
- SNSにスペイン語で投稿する
- スペイン語で日記を付ける
- スペイン語で独り言をいう
「発信型」学習は独りで行う練習ですので、取り入れやすい方法であれば何でも良いと思います。
もしあなたがSNSをよく使うのであれば、ときどきスペイン語で投稿してみてはいかがでしょうか?



SNSに投稿とか、恥ずかしい二ャ…



スペイン語用のアカウントを用意してもいいし、非公開に設定すれば誰にも見られないから安心。とにかくスペイン語を使うことが大切!
Twitterなら文字制限があるので、要約する力が養われます。
Instagramなら、今日食べに行ったイタリアンの写真と一緒にスペイン語で感想を付け加えてもいいですね(外国語でなんか書いてあると、オシャレに見えますし)
参考までに私自身の投稿を貼っておきます。改めて見ると、ツッコミ満載の文章ですね。



間違えても、ほとんどの人は気づかないから大丈夫!
日々の出来事をスペイン語で表現すると力が付くよ。
スペイン語で日記を付けるのもオススメです。SNSに投稿するよりは心理的ハードルは低いと思います。
手書きで書くことで脳に記憶が定着し易いという研究結果もありますし、スペイン語の練習だけでなく、頭の中の整理整頓にも使えますね。
デメリットを挙げるなら、日記は三日坊主になり易いということでしょうか。
日記帳に書くのが苦手な人は、メモをとるアプリを使ってスマホ日記をはじめてもいいですね。
私は、スペイン語で日記を書き続けたことはないですが、Vlog(動画の日記)は投稿していました。今観ると、めちゃくちゃ恥ずかしいですね…
最後に、「スペイン語で独り言をいう」学習法をご紹介。独り言は、国際的なカンファレンスであるTEDのスピーカーも太鼓判を押す学習法です。
独り言は、場所を選ばず、必要なものは何一つなく、無料でできます。しかも、初心者から上級者まで誰でも実践可能な練習方法です。最強の「発信型」学習といって良いでしょう。
まとめ
ここまで、スペイン語を話すための正しい考え方と学習順序を説明してきました。
以下の5つのポイントだけでも覚えて帰っていってください。
■大人が外国語学習をはじめる場合は、第二言語習得理論に基づく「正しい学習順序」を守るのが最短ルート。
■まずは「文法のコア」を理解する。
■理解可能なインプットを大量に行う。
■スペイン語会話をはじめる前に「発信型」の学習を取り入れる。
■オススメの「発信型」学習は、SNSへの投稿・日記を付ける・独り言の3つ。最強は独り言学習!
上記のポイントを意識して、実行してみてください。時間と共に効果を実感するはずです。
あなたが思ったことを思うがままにスペイン語でアウトプットできる日は必ずきます!
一緒にスペイン語学習を継続していきましょう。
【参考文献】
佐藤洋一『第二言語習得論に基づく、もっとも効率的な英語学習法』ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2015